単発講座「交響曲の推薦盤」 改訂2008/11/24


 このような企画は、いつの時代にもある。でも私は詳しく書く気は無い。なぜなら全ての録音を聴いているわけではないのだから。しかし一応私なりの基準を書いておこうと思う。
 ただ、考え違いしてほしくないのは、評論家や私や誰かが言った「それだけ」を聴けばいい、というわけではないということだ。やはり「まあ普通の演奏」を知って、はじめていろいろな観点でのすばらしい演奏というものがわかると思うからなのである。したがって、曲そのもののすばらしさを知るために、なるべく正統派(=普通っぽい)の、なるべく楽譜改変をしていない(と思われる)ものを聴き、その上で、特徴のある名演も聴いて、演奏の違いやすばらしさを堪能する、という姿勢が大切であると思う。
 雑誌などに掲載されるいわゆる推薦盤とは、そのような過程を幾年も経た人が選ぶので本来は信用していいはずのものであるが、そこには商売上のお義理、お約束というものがある。もし最新録音が紛れ込んでいたら、それは業者へのヨイショであると思って、まず間違いないだろう。交響曲に限らず名演奏というのはすでに出尽くしているのである。加えてかわいそうなことに、新しい演奏家ほど過去の演奏家の影響をより強く受けてしまう。
 また、私がいう正統派というのは、別に楽譜に忠実とか、伝統的演奏とか、そういうものではない。テンポも強弱も、旋律の表情も、「まあ、普通ならこんなふうにやるだろうな」と思うようなものである。熱血であるべきところはほどほどに熱血で、柔和であるべきところは、ほどほどに柔和にというものだ。

交響曲第3番
 トスカニーニ/NBC交響楽団(1953年)
 フルトヴェングラー/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1952年スタジオ録音)
 このような難曲は、両者をさしおいて他は選べません。
交響曲第4番
 クライバー/バイエルン放送交響楽団
 クリュイタンス/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 この第1楽章展開部冒頭に現れる新しい旋律の扱いで、カラヤン、フルトヴェングラー、ムラヴィンスキー、ブリュッヘンらは誤っています。装飾音符(短前打音)の扱いが誤っているのです。バロック的でもいけないし、センチメンタルな解釈もいけない。ベートーヴェンの装飾音符の扱い方を正しく把握して演奏しなければいけないのです。どうして彼らはこんな単純な誤りをおかしたのでしょうか。
交響曲第6番
 ベーム/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 クリュイタンス/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
交響曲第7番
 ベーム/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1975年日本公演)
  ※この曲はライブなどで熱気をパワーアップしなければ意味がないです。
 ライブでないものでは、
 クーベリック/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
交響曲第9番
 ベーム/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、最後の録音
 クーベリック/バイエルン放送交響楽団
 ハイティンク/コンセルトヘボウ管弦楽団のライブ

全9曲として
 松クラス
  コンヴィチュニー/ライプツィヒ・ゲバントハウス管弦楽団
  モントゥー/ロンドン交響楽団+ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(第9番のみウェストミンスターの録音で毛並みが違うのが惜しい)
  イッセルシュテット/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(第1,2回)
 竹クラス
  クーベリック/9つの交響楽団
  ベーム/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  バーンスタイン/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(第3回)
 梅クラス
  クレンペラー/フィルハーモニア管弦楽団
  ザンテルリンク/フィルハーモニア管弦楽団
  クリュイタンス/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  マッケラス/ロイヤルリバプールO
  トスカニーニ/NBCSO(楽譜の改変かなりあり。あとは録音か…)
 番外(異端的なものとして)
  シェルヘン/ルガノ放送交響楽団
ィルハーモニックO、ノーリントン/ロンドン・クラシカルプレイヤーズ
 論外(聴くだけ無駄なものとして)
  ジンマン/チューリヒ・トーンハレ管弦楽団

※ちなみに、デジタル録音になってからのものは、あまり買っていませんから…
※全集で、上に書かれていないものは…
    ワインガルトナー/VPO他、レイボヴィッツ/ロイヤルPO、岩城宏之/NHKSO、ハノーヴァーバンド、ホグウッド/ACO、飯守泰次郎/東京シティ・フ※持っていないものは書けませんので、ご了承ください。